手賀地域のまちづくり

賀沼について

手賀沼は千葉県柏市、我孫子市、印西市、白井市にまたがる、都心から最も近い天然湖沼で、柏市の代表的な自然環境です。

周辺は田園が広がり「道の駅しょうなん」や「満天の湯」「手賀沼フィッシングセンター」「水の館」などの観光施設があります。

賀地域のこれからのまちづくり

 柏市は、平成17年に柏市と沼南町が合併したことにより、商圏人口約230万人の広域商業拠点としての中心市街地を有すると同時に、手賀沼、利根川、大堀川、大津川等の水系や水辺、農地、斜面林が市街地を囲むように分布しており、自然環境豊かな都市としての顔も併せ持っています。手賀地域は、農業を主要産業として育ってきた地域であり、こうした農村地域と、大規模な商業集積地が、車でわずか15分程度の位置に隣接していることが大きな特徴です。都市と農、この2つの要素を結びつけてまちづくりを進めることが、これからの本市の発展、魅力向上につながると考えています。

 手賀地域では、平成17年にフラワーパーク構想、平成18年には沼南地域整備方針、平成22年には手賀沼アグリビジネスパーク構想が掲げられ、農を基盤としたまちづくりの方向性が示されてきました。本協議会は、これらの方針に基づき、これからの手賀地域のまちづくりの具体的なステップ・戦略を検討することを目的に設立され、本年度、その基礎となる議論・検討を進めています。

 今後、この戦略プランに基づき、長期的な視点を持ちながら、手賀地域のさらなる魅力・暮らしの向上を目指して、具体的なアクションに取り組んでいく予定です。

 

1. 手賀地域の抱える課題点

  1. 後継者の不足
    まず、農家は地域の産業を支える担い手ですが、今後数年で農家自体の数が大きく減少することが予想され、農業という産業の担い手がいなくなってしまうことが懸念されています。
  2. 景観の喪失
    農家は、農作物を生産すると同時に、里山や谷津田といった農村景観を守り育てていくランドクリエイターでもあります。時代の変化とともに、里山や谷津田が利用される機会は減り、近年では荒廃した里山も増えています。また、農家の減少とともに、耕作放棄地が増え、農村の景観を形成している谷津田も荒れてきている状況です。
  3. コミュニティの衰退
    手賀地域のような農村地域は、農道の管理や地域内の草刈り等、暮らしやすい環境を住民同士が協力して作り上げていくコミュニティです。しかし、近年では、人手不足や高齢化により、こうした地域のマネージャーとしての農家が機能しなくなっており、住民自身でのコミュニティの維持が難しい状況といえます。
  4. 文化の継承の危機
    祭り等の伝統的な催しの担い手でもある農家の減少によって、地域の文化の継承が難しくなってきており、長い間、受け継がれて来た地域の歴史・文化が途絶えてしまうことが懸念されています。

 

2. 新たなコミュニティーの創造

  1. 食への関心の高まり
    直売所ブームから始まり、新鮮な農産物への関心・需要、地産地消の意識の高まりは、農村地域の再生に向けて非常に重要な動きであると考えています。
  2. 自分でつくることの楽しさ
    多くの観光地において、体験型のプログラムが展開されており、モノの消費からコトの消費へと、消費の関心が移りつつあると言えます。手賀地域においても、自然環境を活かして、貴重な体験の機会を設けることは十分可能であると考えています。
  3. 学ぶことの面白さ
    アクティブラーニングやエコツーリズム等、体験を通して知識や歴史・文化を学ぶことが注目を集めつつあります。学習の場として、手賀地域には大きなポテンシャルがあると言えます。
  4. 固有の環境への興味
    アクティブラーニングやエコツーリズムの動きと合わせて、地域固有の歴史や文化、豊かな自然環境の価値が見直されつつあり、そうした社会の関心を、うまくまちづくりにつなげることが、手賀地域のこれからのアクションの1つのカギと考えます。

 

これからの手賀地域を支えていくのは、そこに住む住民であり、農家ですが、社会の動きを踏まえて、手賀地域を訪れる人の流れをうまく利用しながら、コミュニティを維持・向上させていく手法を考えることが重要です。地域に暮らす人の視点だけではなく、地域を訪れる人に着目し、「観光」の視点をもってまちづくりに取り組んでいくことで、地域の課題に対応しつつ、地域の魅力を高めていくことができるのではないかと考えています。手賀沼アグリビジネスパーク構想は、「農」を軸にして育まれてきた歴史・文化・環境を、これからの柏が守っていくべき1つの魅力として、「観光」の視点で地域を捉えながら、様々な視点を掛け合わせて、新たな「農」のあり方・支え方を育んでいきます。